動中の工夫

坐禅コミュニケーション

御注意あれ!

 ヨガ・自律訓練法坐禅ヴィパッサナー瞑想などの呼吸法・瞑想法には「魔境」とよばれる好ましくない状態になることや、妄想が現れることがあります。また心身症精神疾患を悪化させてしまうこともあり得ますのでかかりつけのお医者さんに相談してみると良いでしょう。次にこれらは基本的には自己の努力で行いますが、初心者の場合は自己流よりもやはり姿勢・呼吸法を実地に教えてくれる経験のある指導者に指導してもらうことをお勧めします。

 指導者を選ぶ際には新興宗教より伝統あるものをお勧めします。坐禅であれば伝統的な禅宗臨済宗曹洞宗黄檗宗)の寺院で坐禅会を行っているところがあります。営利目的ではなく、教えるのが好きな師につくのがよく、師の経歴もしっかりとしたものであることが望ましと思います。わたしの先生は「まず坐禅についていろいろな書籍などで研究すること」を強く勧めています。このようにすれば悪質な宗教にだまされにくいかと思います。

 またこれらの瞑想法が現実に適応するための訓練であり、現実逃避の手段でないことを肝に銘じるべきです。白隠禅師は「動中の工夫は静中の工夫にまさること幾千倍」といい、日常の労働などは坐禅よりも効果があるといっています。

柝の工夫

禅堂での坐禅では、言葉で合図せず柝や鐘の音で開始や終了を告げる。今回は和尚より柝の打ち方について指導を頂いたので、忘れないうちに書き記しておく。

  • 柝は胸の前で叩くようにする。
  • 叩いたときに反動で離すのではなく、ピッタリと合わせて止めるように打つ。
  • 力いっぱいたたくのではない。円覚寺僧堂時代に和尚が丁寧に乾燥させて作った柝なのに、力いっぱい打って割ってしまった御仁もいる。
  • しかし坐禅で培った肚の力で打つ。気を集中し平行にピッタリと合うように叩く。