動中の工夫

坐禅コミュニケーション

易疲労感は体質か?

 あー、ねむい、疲れやすい。中学生頃からずっと、休日は一日中寝ていたいと思うようになった。小学生の頃から、友達と一緒に遊ぶのは体力的にしんどかった。

 そんなわけで「私は生まれつき身体が弱いのだ」と思っていた。ところがひきこもり生活を半年続けていたときは禅寺に修行に行った時にもそんなに疲労感は感じなかった。そこで「易疲労感は体質か?」という疑問が湧いてくる。

 身心一如という概念がある。「易疲労感」について、身体を重視する東洋医学では気(=観察可能な仮想エネルギー流体)の不足などととらえるだろう。心療内科などではやはり心の病ととらえるかもしれない。長年原因不明の膝痛に苦しんだ友人は心療内科で「仮面うつ病」と診断され、不思議なことに抗うつ薬であっさり治ってしまった!

 体質を癖ととらえれば、易疲労感も一種の癖といえるかもしれない。それは身体の癖でもあり、心癖でもある。悪癖により過剰に増幅されたストレスにより易疲労感が生じるのである。そのストレスが身体的か精神的かということが、症状として身体的にあらわれるか精神的にあらわれるかということと直接相関しないのだと思う。友人の例はその典型であろう。

 しかしひきこもり生活で様々な精神療法を研究・実践してきたが、気づかないうちにストレスをためているものだと、正直驚いた。わたしの主治医は、もう少しわたしの癖がはっきりすれば、治療の新しい手も打てて、楽になると思うとおっしゃって下さった。

 よく「漢方薬で体質改善できる」などというが、体質改善とは悪癖に逆らい、癖を有益に個性に改善してゆくことだと私は思う。