動中の工夫

坐禅コミュニケーション

さまになる

 「それらしくする」「さまになる」ということは大切な動中な工夫だと思うようになった。

 お坊さんが読経恐怖症で「な、な、な、ななむみょうほうれんげきょう」とか、外科医が手が震えるとか、商人がお札を数える仕草がぎこちないのでは、信用におけない。

 中身はどうあれこういった外見から調えていくことが大切だと思うようになった。自分の能力に自信がなくとも、おどおどしてさまになっていないのでは困る。なにか不明な点があれば、「少々お待ち下さい」と席を立ち、しばし落ち着いて考えればよいのだ。

 これについて、直接反復練習が可能なこと(上記例では読経とお札を数えること)とそうでないこと(手の震えはいくら普段収まっていてもそれだけで解決しない)がある。ただし、手の震えならば例えば結紮の練習などで間接的な反復練習が可能であろう。要は「重要かつ単純な繰り返し動作」を抽出しさえすれば反復練習のメニューを作ることが出来る。

 私のメニューとしては

・電話を取る時「お待たせいたしました、●●、××店、白隠です」を上手に言えるようにする。

・お札を上手に数える。