動中の工夫

坐禅コミュニケーション

花粉症と坐禅会

 花粉症のでるシーズンは坐禅会に参加しにくくなる。鼻が詰まっていると、鼻息が聞こえて周囲に迷惑になるかもと臆してしまうからだ。なにしろ唾液を飲み込む音すら禅堂に響く静寂である。

 そんななか、鼻閉症状があっても、坐っているうちに鼻が通る方法がわかってきたので紹介する。ポイントは以下の二つである。

1.結跏趺坐(半跏趺坐)したら、すばやく丹田に意識を置く
  すばやく禅定に入れるよう、股関節、首、肩のあたりのストレッチをしておく。肩は血流がよくなりさえすればよいので、腕を回す、竹刀で素振りをするなどでよい。

  さらにすばやく丹田に意識を置けるように、丹田周囲の血流をよくしておく必要がある。これには「自彊術」の第一動が有効。要は下腹部の按摩である。

  結跏趺坐(半跏趺坐)したら、坐禅入門書にあるがごとく、口から、下腹部の辺りから押し出すように空気を大きく吐き出す、吸気は鼻から大気圧によりて入るに任せる。これにより丹田の位置をすばやく捉える。

  鼻が詰まると息苦しさから、吸おう吸おうと意識して知らず知らずのうちに、胸式呼吸優位になっていると思われる。丹田に意識を置くのは腹式呼吸優位に傾けるためである。


2.首をすわらせる
  首のすわらせ方はやはり入門書や『坐禅儀』にあるがごとく「耳と肩を対し、鼻と臍と対し」である。

  経験上、普段から首の傾ける方向が偏っていると鼻が詰まるようである。坐禅のときは矯正のつもりで、また普段から折を見て首の姿勢をチェックしていくようにしたい。

  首周りの筋肉が固まっているのもよくない。警策でたたくと、一時的に過緊張→ふっとリラックス、という反応が起こるのでこれを利用して、なにかで叩くのもよいかもしれない。