動中の工夫

坐禅コミュニケーション

御破算の工夫―PCが壊れました

PCが遅くなったので購入を検討していたところ、その心を見透かされたか、PCの電源が全く入らなくなり、八方手を尽くしたがついに起動することがなかった。
 
ようやく昨日新しいPCがDELLから届いたが、以前使っていたPCにあったデータが消えることとなった。ほとんどはバックアップしてあったけれども。
 
大学の恩師が「PCが壊れてデータが御破算になったときの研究は必ず成功する」という法則を主張されていた。いちど白紙にもどして、自分の頭の中で熟成されたものをアウトプットするからだろう。自分が苦労して書き上げた文章などにかえって今の自分が引きずられて、自由な発想ができなくなるということかもしれない。
 
壊れたPCには最近読んでいた『摩訶止観』のノートまとめ的なファイルを保存していた。後の禅宗は該書を参考にすることも多く、今日の坐禅入門書にも引用されることが多い。しかしアビダルマに比べれば実践的内容とはいえ、坐禅理論ともいえる内容が多く、難解であるため、自分なりに要点を箇条書きにしていったものである。
 
最初は岩波文庫本や大正新修大蔵経テキストデータベース(http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ をつかってやっていたのだが、池田魯参『詳解摩訶止観』を入手し、やはり過去の研究を相当ふまえないと自力ではとても読めないと感じていた。
 
だからいちど「御破算」になったのは、もっとちゃんと読め!という仏の慈悲だったのかもしれない。
 
ところで坐禅入門書でもおなじみの「食事や睡眠を調えなさい」といった坐禅まえの準備の前に、『摩訶止観』では「戒を清浄にする」ことを示している。そのなかでは懺悔についてその種類と方法を詳解している。