動中の工夫

坐禅コミュニケーション

アマチュアでも工夫

 今、私は岡本浩一著『上達の法則』という本を読んでいる。物事がなかなか上達しないのは、本人にとってなかなか苦しいことであり、教え導く師にとってもまた歯痒いことであろう。

 今日の坐禅会での法話

 専門道場では厳しい修行をして、無駄を一切省いた効率のよい生活の中で、師も弟子も真剣であるから2~3年という短期間であってもある程度のところまでは上達する。

 ところが居士禅(アマチュア禅)にあっては多忙な中であって、心境が深まったかなと思っても、油断するとすぐ戻ってしまう。したがって日々の坐禅だけでなく、生活の中で「動中の工夫」をしてゆくことが大切である。その要点は我を忘れて夢中に「三昧」になることである。

 これは個々の三昧になり易いものがあるはずであるから、それを夢中にやればよい。そば打ち・剣道・書道・陶芸・麻雀・競馬なんでもよいのである。それと呼吸三昧の坐禅を併用するのである。

 だいたいこんな風なお話であった。なかなか坐禅が上達しない私のためにお話下さったように感じた。このお話でかきたてられた勇猛心をもってまた修行してゆきたい。