動中の工夫

坐禅コミュニケーション

静から動へ(2)―作務と坐禅―

 坐禅会での和尚様のお話。和尚様が専門道場で修行中の頃のお話。和尚様が作務で薪割りをしていた。木目の癖がある薪は上手く割れないことが多かった。しかし不思議なもので坐禅が深まってきて呼吸が深くなり肚の力ができてくると、上手く割れるようになったという。坐禅の上達とともに今まで気づかなかったが、作務という行為が「非常に上手くできている」と感じたという。いろいろな作務も肚の力ができてくるとうまくできてくる、慣れもあるだろうが慣れだけではないのだ、呼吸というか腰肚が大切なのだとわかったという。

 ちなみに和尚様と茅を刈りに行ったとき、私は上手くいかなかったが、和尚様は数本まとめてスパスパ刈っておられた。「鎌が違うのかなあ」と思い、こっそり鎌を取り替えて使ってみたが結果は同じ。「肚の力」恐るべし。

 私は運動神経が悪く、仕事の物覚えも悪い…坐禅の向上とともに様々な活動が「上手くできている」と感じられたら良いなあと思い坐っている。

 斎籐孝氏は薪割りのかわりに名刺を使って割り箸を割る授業を小学生にしてましたね。テレビでもやってたと思うし、『身体感覚を取り戻す』(233頁、日本放送出版協会)でも紹介していた。私の友人が斎籐ゼミに参加していて小学生の授業に参加したことがあるそうな。ためしに「割り箸割り」でも挑戦してみるか。