動中の工夫

坐禅コミュニケーション

植木雅俊『梵漢和対照・現代語訳 法華経』

 本日の朝日新聞「ひと」欄に植木雅俊の『法華経』訳本の紹介があった。『法華経』について南直哉・玄侑宗久『〈問い〉の問答―同時代禅僧対談 』に議論があった。それで『法華経』に興味を持つようになった。私のうちは日蓮宗だが、この間はじめて法華経を読んだのだ。その感想は「ありがたい教えです」ということが強調されているが、その教えのキモが書かれていない不思議なお経だと感じた。正直言ってこんな訳のわからないお経になんで心から「南無妙法蓮華経法華経に帰依します)」 などと言えるのかと思った。いや、訳わからないからこそなんとか理解したいと勇猛心を奮い起こし「南無妙法蓮華経」と題目を唱えるのかもしれない。

 つねづね宗派をはなれて法華経を学問的に研究した訳本はないかと考えていた。また植木雅俊訳本は梵漢和対照ということにも興味が引かれる。漢訳仏典だけではどうしても訳者・鳩摩羅什の影響がぬぐい去れないと思う。時間を見つけて熟読したい。