動中の工夫

坐禅コミュニケーション

坐る前の工夫(2)

 とあるアメリカの禅堂では朝起きたらまず経行から行うそうである。

 起床した者から順に経行の輪の中に入ってゆく。曹洞宗系の禅堂らしく最初はゆっくりと、次第に臨済宗の経行の如く速くなってゆき、最後には全力で駆け出す、これを三十分ほど行うそうである。

 起床したばかりの寝ぼけ状態では真剣に坐るのは難しいから、坐る前の工夫が必要だろう。朝課でも太極拳でも自彊術でもラジオ体操でも経行でもよいと思うが、上記の工夫は、その禅堂独自のもので、非常に成果をあげているようである。