動中の工夫

坐禅コミュニケーション

背筋を伸ばすかどうか?

本日の和尚の講話にて。

円覚寺足立大進老師が「朝比奈宗源老師に頭頂で天井を押し上げ、お尻と膝で地面を押し下げるようにして、身体を伸ばして真っ直ぐにして坐れと指導された。しかしわしは違うと思う。臍から上は力を入れず、はたから見たらちょっと猫背にみえるくらい脱力しているのがよい」とおっしゃっていたとのこと。

板橋興宗禅師も力強い坐禅を指導されていたが、力まない坐禅をするようになって、坐禅が好きになったというようなことをおっしゃっていたと思う(こちらの記事がおすすめです→坐相が悪い禅師様が考案した窮余の一策)。

仁王禅のような力強い坐相がよいか、宮本武蔵の絵のような上半身の力が抜けた坐相がよいかということになってくる。

腹に力を入れることの可否でも書いたように、実際に腹に力を入れるのか、むしろ精神的な力、気力をいれるべきなのかという議論にもつながってくる。これらは古来からある議論のように思う

さればとて教義的な話ではないので、これらが派閥化してどんどんセクト化してゆくような話ではないのが禅の良い所である。先の朝比奈老師、足立老師の話も師弟で指導法が違うのも禅では良くあることのようである。

私はというと「力みなくして解放のカタルシスはありえねェ(範馬勇次郎)」の言葉のように、まずは力みとトレーニングの量が必要で、それによりだんだんと脱力の要領が分かってくるのではないかと考えている。