動中の工夫

坐禅コミュニケーション

新年初坐禅会

謹賀新年

 

本日は今年初の坐禅会。坐禅の後は本堂にて大悲呪一巻読誦。

和尚の先師がよく揮毫された和歌があり、丑年にちなみ紹介してくださった。

怠らず 行かば千里の 末も見ん 牛の歩みの よし遅くとも

怠けずに歩みつづければ、いつしか千里の遠くまで到達するであろう。たとえ牛のように歩みが遅くても)

 

 

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段長補短

今年は自分の長所や好きなこと、得意なことをコツコツとやれたら良いなと思う。上の図だとAさんにとってDIYは得意だが、Bさんほどでないため「自分は向いていないのでは無いか」と思ってしまう。しかし自分の中で比較するならば向いているわけで、ここを伸ばしてゆくのがやはり良いのだと思う。

またつい日々意識する苦手な所を克服する方面に努力してしまうが、長所を伸ばすことで短所が隠れたり補われたりすることもある。

 

次に『漢方の臨床』を読んでいて坐禅のモチベーションupにつながる記事を読んだので、少しだけ引用させていただく。坐禅もされた漢方家・小倉重成先生の推奨する呼吸法で、そのまま坐禅の呼吸法である。

【小倉流釈尊の呼吸法】

姿勢よく1呼吸1分間で呼吸する。始めは決して簡単ではなく、30秒が限界であるが、1ヵ月続ければ誰でもできるようになる。上級者になると1呼吸5分間まで伸びるようである。(中略)

90歳まだまだ現役の田畑隆一郎先生は、朝夕寝たままの状態で1分間呼吸法を実践されている。全身に力みなぎって、やる気が出て食事が美味くなると言う。*1

これはそのまま優れた坐禅の能書きである。

ちなみに私は1呼吸20~30秒くらいが限界である。ことに今は寒いので力強く「ムー、ムー」とうなるように呼吸しているので20秒くらいかもしれない。臍から上の力を抜いて、数息観や公案に集中することで必要な酸素量を減らせば、1呼吸の時間をもっと長くできるかもしれない。しかし寒いのでつい燃焼系の呼吸法になっている。この辺の是非はまた研究したいところ。

たしかに坐禅を最初に教わったときも、和尚は1呼吸1分くらいでデモンストレーションしてくださった。禅定が深まればもっと長くなって、30分間の坐禅で1から10まで数えると終わってしまうこともあるそうだ。

 

*1:「午後になると調子が悪くなる方の茯苓沢瀉湯」『漢方の臨床』67巻9号、927-931頁、2020