動中の工夫

坐禅コミュニケーション

一呼吸から世界は変わる

 多くの坐禅指南書には坐禅の効能や目的意識に関する注意が書かれてある。一流の方々が書かれたものであるから難解かつ高遠でとても私自身と照らし合わせるだけの技量がない。

 しかし坐禅の目的を誤るのもよくない。今朝の坐禅会での法話から考えたところを備忘録としてまとめておく。今回のタイトルは和尚様の言葉である。

 私の親戚の子(三歳の女の子)は椿のつぼみを見れば「まるくてかわいいね」、キャラをみれば「もっと葉っぱが増えてね」と生き物に対して慈悲の心を示す。「衆生本来仏なり」というのもうなずける気がする。
 山岡鉄舟勝海舟高橋泥舟らは世のため人のために尽力した、また剣・禅の道で自らを鍛錬した。世のため人のために働くには、まず自分を修めることが大切である。
 一方、自分を鍛えるだけで世間を顧みないのもいけない。ミャンマーチベット・中国などの情勢に関して日本の僧侶たちは無関心ではないかと世界の仏教者から批判されている(らしい)。オウム信者だって自分を鍛えることに関しては真剣だったのかもしれない、しかし世間にあまりにも無関心で乖離していた。
 まとめ:現実的には自分に世界を変える力はないと思っている。しかし、真剣な一呼吸(真剣な念仏・真剣な題目など各宗派に準ず)が世界を変える道に確かにつながっていることは認識したい。そして自分も含めて生命に対する慈悲の心を持ち、できるだけ無駄に殺生はしないようにしたい。